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研修医募集

先輩小児科医からのメッセージ


これから小児科を学ぶ人へ

ふじさわ眼科小児科クリニック 藤澤 裕子

私は 川崎医科大学を卒業後、富山医科薬科大学(現 富山大学)、金沢医科大学で小児科を学び、現在、金沢市にて地域小児医療に携わっています。
小児科医を志して24年の月日が過ぎましたが、今振り返ってみると、一日一日が無我夢中であっという間に感じられます。

私が小児科医を志すことになったのは、尊敬する小児科医である父の影響です。
私の父は、富山市で小児科を開業し、地域医療に従事しています。幼い頃より、日曜日や祝日も含め、毎日診療する父の姿を見てきました。
小学生になると時間外診察の受付や介助を手伝うようになり、父の役に立っていることがとても嬉しかったのを覚えています。

そんな時、とても印象に残っている出来事がありました。2〜3才頃のお子さんだったと思います。発熱のため時間外に来院されました。毛布で全身をすっぽり包まれ、心配そうな祖母に抱きかかえられるように、診察室に入ってこられました。
私はいつも通り介助に着こうとしましたが、その時は父から外に出るよう促され、最後まで子供の姿を見ることはありませんでした。
帰り際に、ほっとした笑顔の祖母は、深々とお辞儀をして、「ありがとうございました」と父に向かって挨拶されました。不思議に思い父に尋ねると、「あの子は身体に奇形があり家族以外には見られたくないのだよ」と教えてくれました。
小児科医というのは、様々な病気を持っている子供たちに常に向き合い、子供だけではなくその家族をも、医療を通して助ける仕事だと感動した瞬間でした。この出来事が小児科医の道を歩み始める出発点となりました。

学生時代や小児科勤務医を通して3つの大学に在籍させていただき、そこで出会った先輩小児科医の姿から多くのことを学びました。
小児科医として大事なことは、子供たちの病気を診るのではなく、病気を持った子供たちの成長や発達を見守る姿勢だということです。
そして子供たちを、その家族と共に支えることによって、自分自身が人間として、また小児科医として成長させられるということを教えられました。このことが小児科が他の科と異なる点だと思います。
子供たちの成長、発達は一人一人多様ですが、未来につながっています。小児科医は子供たちと共にその道筋を歩むことができるのです。

私は、結婚や出産そして子育てなどの人生の節目で、この先どこに向かって進むべきか悩みました。そんな時、日々の診療の中であの不思議な瞬間と同じような子供たちとの出会いがあり、歩み続けようという勇気が湧いてきました。
また小児科医局の先生方の好意により、子育て中も柔軟な勤務体制で学び続けることができました。 現在、小児科を開業し、日々子供たちと向き合っています。

無心な笑顔で笑いかけてくれる赤ちゃん
「先生のおかおをかいたよ」とくれる女の子
お母さんの陰に隠れて恥ずかしがっている子

そんな子供たちや家族との、何気ない日常のおしゃべりの中で、垣間見える様々な姿から診療することが地域医療の素晴らしさかなと感じています。
これから小児科を学ぼうとしている方たちは、ぜひ子供たちの笑顔やしぐさから得られる喜び、安らぎを味わい、楽しんでください。
その瞬間が出発点となるかもしれません。



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